塗装工事で使用する塗料は「水性塗料」と「油性塗料」に分かれます。実際にどちらを選べばいいのでしょう。今回はそれぞれの塗料の特徴を元に、どのような場所に適しているのかご紹介します。
【水性塗料】
- 臭いがほとんどしない:乾燥する際に水分だけが蒸発するため、油性塗料と比べて臭いが少ない。
- VOC(揮発性有機化合物)排出が少ない:シンナーを含まず、VOCの排出が少ないため、シックハウス症候群や大気汚染の一因となる可能性が低い。
- 引火の危険性が低い:油性塗料と異なり、シンナーを含まないため、引火の危険性が低い。
- 道具類を水道水で洗うことができる:水性塗料を使用した後、道具類を水で洗うことができるため、清掃が容易である。
- 乾燥しにくい:油性塗料に比べて乾燥が遅いため、気温が低い時期や湿気の多い時期には塗装作業が影響を受けやすい。
- 金属部分に密着しにくい:アルミやステンレスなどの金属表面に対しては、水性塗料の密着性が低く、塗膜が安定しづらい傾向がある。そのため、屋根の下塗りや雨樋、破風板、軒天井などの金属部分には、水性塗料の使用が適さない場合がある。
【油性塗料】
- 耐久性と美しい仕上がり:耐久性が高く、美しい仕上がりになる。
- 均一な膜厚:膜厚が均一になりやすく、美しい塗装が可能。
- 気候の影響が少ない:乾燥が早く、気候の影響を受けにくい特性がある。
- 素材への密着性が高い:高い密着性のため、様々な素材に塗装できる。
- 金属への塗装が可能:金属表面にも塗装が可能であり、下地塗りを省略できることもある。
- 臭いが強い:シンナーを使用するため、水性塗料と比べて臭いが強い。
- VOC排出に注意が必要:VOCを排出するため、塗装時には近隣への配慮が必要である。
- 引火性が高い:シンナーは引火性が高いため、保管場所や管理には注意が必要である。
*使い分け
水性塗料と油性塗料にはそれぞれ長所と短所があります。室内での使用には臭いや環境への配慮から水性塗料が適しており、耐久性を求められる屋外などでは油性塗料をお勧めします。水性塗料は完全に乾燥すれば水に流れることはなく、屋外での使用も可能ですが、耐久性は油性塗料に劣ります。特に直射日光が当たる場所や鉄部など錆が発生しやすい箇所には油性塗料が適しています。DIYなどでの使用では管理のしやすさから水性塗料がおすすめです。